新規に入院される方の治療について
当院は精神科での医療やケアを必要として入院された患者さんに質の良い医療・ケアを提供するため、入院から退院までの道筋(pathway:パス)の目安を設定し、3ヵ月以内での退院に取り組んでいます。 入院の早期には、病棟の看護スタッフが中心になり療養生活の手助け、生活リズムの立て直しを支援します。十分な休息をとり体調が回復した後は、退院後も健康的な生活を維持していただくための学習プログラムに参加して頂き、多職種チームで退院の準備を支援します。 |
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◆入院病棟を調整する際の当院の基準 | ||||
病 棟 |
対象になる方 |
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4病棟 (閉鎖) | *入院する時点で、3ヵ月以内での退院が見込まれる方 *精神科への入院が初めての方(外来受診やデイケア利用はあった) *精神科の病棟に過去に入院したことがあるが、退院から3ヵ月以上は通院を継続してきた | |||
3病棟 (閉鎖) | *服薬中断などで症状(混乱や興奮)が再発し、3ヵ月以上の入院が必要と見込まれる方 *精神科の病棟から退院し、3ヶ月未満での再入院 | |||
2病棟 (開放) | *本人も入院を希望し、退院(自宅や施設)までに時間をかけた療養が必要な方 *精神科の病棟から退院し、3ヶ月未満での再入院 |
◆入院治療パス(入院から退院までの道筋の目安)のタイプ |
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急性期治療パス (4病棟・3病棟で運用) |
【主な対象】 著しい混乱や興奮、心身の状態の悪化、精神的に不安定で自他を傷つける心配があり、 保護的環境(医師の判断での行動の制限を伴なう)での治療を必要としている方 ●予定入院期間: 2ヶ月~3ヶ月 【主な治療・ケア】 *療養生活の支援・見守り、薬物療法、作業療法・学習プログラムの利用 *医療スタッフとの会話を通したコミュニケーション力の強化、調子を崩した理由の振り 返りなどで、退院後の生活の立て直しを図ります。 |
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ストレス・マネジメント パス (4病棟・2病棟で運用) | 【主な対象】 *日々の生活は自分自身で行い、服薬の自己管理もできるが、疲労や対人ストレスなどで 不眠や抑うつ状態となった方 *生活の立て直しやストレスとの付き合い方を学習する目的で入院を希望する方 ●予定入院期間:1ヶ月~3ヶ月 【主な治療・ケア】 *休息の確保と生活リズムの改善、薬物療法、作業療法・認知行動療法の利用 *医療スタッフとの対話による自己洞察の支援、退院後に向けたセルフマネジメント力の 強化を図ります。 | |
休息 パス (2~3週間程度の入院) | 【主な対象】 *単身生活での疲労・を解消するため、入院しての休養を希望する方 *高熱や嘔吐などで食事や水分が取れなくなり点滴等での身体管理が必要になった方 | |
【回復状況の確認と入院期間・病棟の調整】 「薬剤の調整でなかなか症状が改善しない」「退院先を決めるのに時間がかかる」等の理由で入院期間が3ヶ月を超える場合は、主治医をはじめ担当看護師や精神保健福祉士(PSW)等の関係者がケア会議を開催し、患者さんやご家族と一緒に治療目標や予定期間を再検討していきます。 |