社会医療法人制度は、平成19年4月に施行されました。その制度最大の主旨は、社会医療法人が、不採算経営の続く自治体病院を始めとした公的医療機関の受け皿として、その役割を担うことにあります。
従来は、救急医療やへき地医療など公益性の高い医療は自治体病院が中心となって行ってきましたが、不採算経営が続くことによって大きな負債を抱えることにより、経営に破綻をきたした病院も出てきました。そこで、医療法人の中で経営基盤が安定し、なお且つ公益性の高い病院に対して社会医療法人として認可し、自治体病院に代わって、地域住民のニーズに応えられるような医療が提供できるような制度を作り上げたのです。
公益性の高い医療とは、具体的にあげると①救急医療 ②災害医療 ③へき地医療 ④周産期医療 ⑤小児救急医療 の5つです。こうした医療は、医療全体の中でも大変重要な役割でありますが、残念ながら収益性を確保する事は困難です。
平成25年4月現在、社会医療法人の認可を受けた医療法人病院は225施設であり、精神科救急医療の分野では22施設です。精神科の場合は、救急医療の中で精神科救急医療として一般の救急医療とは別枠で認可されることになります。
今後は、社会医療法人としての責務を果たせるように、地域の精神科救急医療を積極的に進めて行きたいと考えています。
平成25年 9月 理事長 寺山 賢次